日本最南端のエキゾチックな焼き物 沖縄やむちんの歴史と特徴

伝統工芸品・民芸品

日本にもたくさん有名な焼き物の里があります。その代表的なものが日本六古窯といわれるものです。愛知県瀬戸市の瀬戸焼、愛知県常滑市の常滑焼、福井県丹生郡越前町の越前焼、滋賀県甲賀市の信楽焼、兵庫県丹波篠山市今田町立杭の丹波立杭焼、岡山県備前市伊部の備前焼が六古窯にあたります。いずれも歴史は古く、多くは中国や朝鮮伝来の手法で焼かれており、それが現代でも受け継がれる伝統工芸品になっています。 これらの日本六古窯に共通している特徴は、伝統古来の製法にこだわっている点と言えるでしょう。窯なども斜面の土を掘り起こし、ウナギの寝床のような穴を開け、そこを窯として用いるのです。またこれだけ工業化や機械化が進んでいるにも関わらず、すべて手作業で焼き物を作り上げるというスタイルをいまだに貫いています。 土と水をこねて、形を作り上げ、自然の風と太陽光でそれを乾かすのです。そして薪をくべて窯を焚いて焼き上げていきます。手間暇を惜しまず自然製法で行い、一切工業化されないので焼いている途中に破損したり、美しい文様や色合い、風合いが出ないことがほとんどです。何百、何千作った中で完成品と呼べるものが一つあるか無いかで職人は諦めることなく汗をかき、未知の芸術品と日々対峙しているわけです。 日本にはこうした六古窯にほかにも有名な窯がいくつか存在します。

やむちんの歴史

その一つが沖縄県のやちむんです。やちむんの歴史も古く、1616年ごろ朝鮮人の職人の指導の下沖縄にその伝統製法の原型が伝来しました。やちむんとは沖縄の言葉でぽってりと力強いというニュアンスがあり、その名の通りこの焼き物は分厚くダイナミックで、そこに大胆な絵付けなどが施されるのが特徴です。その後はさらに朝鮮やタイ、ベトナムなどから陶器が沖縄にも入って来てその技法や技術を踏襲し、やちむんも進化を遂げていきました。つまり海上貿易が沖縄の焼き物文化をさらに発展させたのです。1682年になると琉球王府が沖縄県内に分散していた窯場を、工芸産業振興政策の一つとして那覇市壷屋に統合したことからこの焼き物の代表格である「壺屋焼」の歴史が始まりました。 この焼き物は現在の沖縄の暮らしにも深く根付いている産業文化であり、近年はモダンでデザイン性が優れた物も多く作られ沖縄土産で人気が高まっています。

やむちんの里の登り窯

やむちんの特徴

装飾やデザイン性はほとんどありません。土をそのまま生かした荒っぽい風合いで人気の一つとなっています。しかし素朴で自然であり、古来の人からの伝統手法をそこに随所に見ることができます。素朴さがどこかホッと落ち温つく感覚を抱かせ、現代の工業化や大量生産化された焼き物とは一線を画し、非常に魅力的です。

やむちんの置物

やむちんの作り方

やむちんの作り方は、ロクロ水挽きを経て化粧がけ、線彫りやかき落としといった加飾を行ったら透明釉がけを行い、けずりを施します。この時点で表面部分の作業となり、次から裏面にかけて化粧がけと加飾、透明釉がけを行い約900℃の窯で素焼きをします。素焼きが済んだ器は施釉や絵付や三彩といった加飾を行い、再度1230℃の窯で本焼きおこして赤絵などの上絵付を行い、最後に約800℃で焼成すれば完成です。 最初のロクロ水挽きで使用する土には、上焼きには沖縄でナカマと呼ばれる名嘉粘土、ビーマタと呼ばれる為又粘土、メガニクと呼ばれる前兼久粘土を使用します。名嘉粘土と為又粘土はどちらもねばりがある土で、前兼久粘土は耐火性が高い特徴を持っています。荒焼にはジャーガルとマージと呼ばれる土を使用しますが、どれもコシが少ないので伸ばすのに苦労するという声は多く、熟練の技術が必要だといわれています。 椀や皿といった内化粧を施す技法として、器物に適当な量の化粧土を入れてまんべんなく付着させ乾燥させるのを化粧がけと呼び、仕上がった素地の内・外面に鉄筆やかんなで装飾を加えていきます。この焼き物で用いられる加飾には線彫りや掻落、くし目や飛しガンナ、イッチンや鎬などがあります。

やむちんの花瓶

やむちんの作家・窯元

田村窯

田村窯は沖縄北部大宜味村のやちむんの工房を保有しており、そこで伝統的な技術を大切にしながら現代的なアレンジも加えています。夫婦で営んでいる工房なので、家族の絆や温かさなども伝わる作品が多いです。場所はかなり山奥で、やちむんの里で知られる読谷村を越えてさらに車で北へ向かいます。車でも約1時間かかるので、直接足を運んで工房を見学するためにはかなりの労力が必要になります。SNSでも注目を集める作品が多く、若い人からも支持されているのが特徴です。

一翠窯

一翠窯は若い女性が好きなカラフルでポップなデザインのものを中心に作っています。中には力強さを演出している作品もあり、興味をそそります。丸型の器だけではなく、正方形や長方形のものまで幅広くあるので、自分の好みに応じて選択することができます。丸型はサラダ専用、正方形はお肉料理、長方形はお魚料理などが最適です。食卓を綺麗に彩ることができますし、いつもと違う雰囲気に変えることができるのでホームパーティーやイベントなどにぴったりです。

みんなのふるさと 沖縄独自の陶器「やむちん」を紹介します。

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