フジマキの煙突が印象的な藤巻製陶って何?

職人・窯元・会社

有田焼で有名な佐賀県有田町では、様々なタイプの煉瓦煙突が見られます。 フジマキの煙突が印象的なのが、業務用食器で知られる藤巻製陶です。 藤巻製陶は、1775年から現在まで240年以上も有田町外尾山の地で磁器製作を続けています。 有田では分業スタイルの会社が多いですが、藤巻製陶は一貫生産スタイルです。

青白磁

藤巻製陶は青白磁で知られる窯元で、透明感のある青白磁の起源は11世紀の景徳鎮まで遡ります。 景徳鎮は世界的に有名な陶磁器の生産地で、国家歴史文化名城にも指定されています。 江戸時代には鍋島藩が定める窯場のひとつだった藤巻製陶は、九代目の時代に青磁器の生産をスタートします。 高度経済成長期の日本は絵付師が不足し、九代目は産地内での差別化を図るために珍しい技法のひとつだった青磁器の開発を進めます。

現代

現在でも青磁器や白磁などを駆使して、爽やかな清涼感のある磁器を制作しています。 青白磁の器は白地に釉薬の溜まりを設けて色の濃淡を出しますが、透明感のある青は料亭でも人気があります。 通常の釉薬に比べてガラスの質が厚いので、生地の段階から釉薬の溜まる部分を薄くします。 釉薬の厚みが増してしまうと割れやすくなるため、職人の高い技術が必要になります。 青白磁の開発を長年続けてきた実績とノウハウがあり、独自の釉薬技術は一目置かれています。 淡い発色を活用した個性的な器には、長年培ってきた磁器制作へのこだわりがあります。 十代目は高度な技術を活かして、現代日本のライフスタイルに合わせたモダンな有田焼ブランドも手がけています。 日本だけでなく海外のデザイナーともコラボレーションを行い、難しい要求にも常に挑戦する姿勢を見せます。 釉薬と形を磨き、絵付けをしない窯元ならではの他にはない表現を追求しています。

磁器の作り方

釉薬は陶磁器を覆う薬で、装飾だけでなく焼き物を丈夫にして光沢を与えるためにも使われます。 器に光沢を与えてくれる釉薬は、水が染み込むのを防ぐ役割も担っています。 磁器は岩石を砕いた原料を使った焼き物で、約1300度の高温で焼き上げます。 陶器よりも硬くて吸水性がなく、遮光性があり叩くと澄んだ金属質の音が出ます。 有田や九谷、砥部が昔から知られる磁器の伝統的な産地で特に有田は全国的に有名です。 青やピンク、紫など白磁に淡い色とりどりの釉薬を使用した磁器はガラスのように透明感があります。 独特な技法で表現した磁器は、絵付けとは異なる磁器の新しい魅力を演出します。 藤巻窯の器は青白磁と呼ばれる釉薬が特徴で鉄や銅、クロムなどの金属が化学的に変化して色が出ます。 独自に調合した透明感のある釉薬には清涼感があり、春から夏の時期になると特に人気を集めます。 自社で焼く前の素地を管理し成型するので、どの製品も一貫して美しく品のある状態を保っています。 有田焼は全て職人の手作業で作られるため、製品には個体差があります。 天然の原料を使っているので鉄分が表面に出るケースもありますが、器のアクセントになります

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