モダンな食器が盛りだくさん、波佐見焼のすべて

伝統工芸品・民芸品

波佐見焼は、大衆向け陶磁器の生産に向いており、江戸時代から連房式登窯で生産してきたという歴史があります。その特徴は、陶磁器の中でも安くて丈夫というものです。また、大量生産する時には、個体差が少ないというのは必要な要素であり、波佐見焼は個体差が少ないので、新しい物を作って多くの人々に使ってもらいたいというニーズに適しています。

大量生産とデザイン性

新しいブランドが生まれ続けており、デザイナーと窯元がコラボレーションして新作を作り続けています。現代のニーズに合った商品が登場し、モダンで機能性の高い食器が数多く生み出されました。ツルッとした感触があり、昔から馴染み易い作りになっていて、陶磁器に施される絵付けは比較的シンプルであるか、無地である事が多く、毎日飽きずに使えます。 波佐見焼で作られた日常で使われる食器としては、茶碗・皿・箸置き・醤油差し・花瓶など多彩であり、デザインもデザイナーのセンスを引き出せる為、デザイナーズアイテムを作り出すのに適しています。日常的に食器を使う場合、強度は重要です。強度が無ければ、地面に食器を落とした時に割れ易くなります。デザイン性と強度に優れた食器を作り出すには、それを満たしてくれる作り方を選ばなければいけません。

波佐見焼の歴史

波佐見焼は、肥前大村藩主であった大村氏によって連れて帰られた朝鮮出身の陶工が作ったのが始まりです。その後、日常品としての陶磁器を作るのに適していた事から、全国に広まりました。1990年代前半には、全国で流通していた食器の3分の1から4分の1が波佐見焼で作られており、日本人にとっては馴染み深い焼き物です。 くらわんか椀は、江戸時代に生産されおり、庶民に茶碗が普及しました。1820年代に盛んに作られていたコンプラ瓶、給食用強化磁器食器といった物を生み出しており、更に時代が進むと、デザイナーズアイテムが多数登場する事になります。モダンな食器は、そこに盛り付けられる料理や食卓を彩ってくれます。デザイン性に優れて頑丈な物だけでなく、ユニークな食器も登場してきており、見る者を癒やしてくれたり、楽しませてくれたりします。和食や洋食を問わずに使えるモダンな食器は、料理との組み合わせによって、その良さが活きてきます。魅力的な商品を作り上げる事で、消費者の暮らしを豊かにしてくれるのが、この焼き物の優れた利点です。新しいブランドは増え続けており、ブランドのコンセプトに合った食器を手に入れられます

波佐見焼の作り方

それでは波佐見焼の作り方を工程順に詳しく見ていきます。 まず最初は陶石の状態です。磁器の原料としては天草陶石を準備します。天草陶石の特徴は、焼いた時小さくなる事が少なく粘り気もあり、焼き上げると品の良い透けるような白さが出るという点です。 天草陶石が準備出来たら、これを細かく砕いて粉末状にします。そして粉末状になったら次は成形です。成形には手で自由に形を作るという方法もありますが、波佐見焼は型を回転させながら金属板のコテをあて土をのばして形を作る機械ロクロや石膏型と金型を回転させながら圧力をかけて土をのばし形作るローラーマシン、そして手ロクロで土を回転させながら指とヘラを使って形づくります。最後に土を液体上にしてから型に流し込んで固める鋳込みを使い、石膏で基礎となる型を作ります。 こうして器の元が出来たら、日当たりや風通しの良い所でしっかりと乾燥させ、いよいよ焼きの工程です。窯に入れ、約900度で素焼きします。この素焼きは下絵付けや釉かけをしやすくする為に必要です。 そして素焼きが出来たら窯から器を取り出し、下絵付けを行います。素焼きされた器に、高温で焼かれると発色する顔料で筆を使い丁寧に絵柄を描いていきます。 絵柄を描き終わったら、釉かけです。器の表面が滑らかになるように釉薬に浸します。きれいに浸す事が出来たら、本焼きです。 約1300度の高温で焼き上げていきます。すると高温で焼く事で器に塗られた釉薬が溶けて、表面に薄いガラス質の膜が出来ます。この膜は施された装飾や表面を滑らかにしたり、器の吸水性をなくしたり硬くする効果があるので非常に重要です。 これで焼きあがったら完成という訳ではありません。器を窯から取り出し、仕上げに上絵付を行います。低温で溶ける顔料で釉の上にさらに絵を描いていきます。この時は赤や金を使う時が多いです。こうして絵柄を描き終えたら、再び約800度で焼き上げてようやく完成です。有田焼と異なる点は焼成温度で、波佐見焼の低音焼成は焼き物の弱さにつながる分、大量の生産を可能にしています。 最後に器の1つ1つの厳しい検品を行い、問題がなければ丁寧に梱包して出荷という形になります。

https://www.youtube.com/watch?v=BK5e9qkIqYM
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