有田焼「李荘窯」の目指すものは、心を動かすモノ作り

李壮窯の画像職人・窯元・会社

有田焼李荘窯は、1930(昭和5)年に佐賀県有田町で創業された90年近い歴史を誇る名窯です。有田焼の陶祖とも深い関係があるというのですが、どのような窯元なのでしょうか。

李荘窯の歴史

現4代目当主・寺内信二氏の曽祖父である寺内信一氏が創業したのが「李荘工房」です。窯名の李荘とは、有田焼の陶祖と呼ばれる李参平氏が住んでいた住居跡に工房を構えたことから名づけられました。

当初は置物や帯留めなどの生活用品が主流でしたが、1958(昭和33)年に「李荘窯業所」と名前を改め、食器の製造を中心とする窯元に変わって、現在に至っています。李荘窯のポリシーは「心を動かすモノ作り」で、どこで会っても李荘窯とわかるような商品を作ることを目指しているとのことです。

李壮窯のポット

有田焼李荘窯社長、寺内信二氏の経歴

寺内信二氏は、1962(昭和37)年、佐賀県有田町生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、他社勤務を経て1988(昭和63)年に李荘窯業所に入社しました。2009(平成21)年に「プロダクトarita」を結成し、香港やフランスで「プロダクトarita」展を開催するなど、海外に有田焼を広める活動も展開しました。大手百貨店伊勢丹とおせち料理で提携するなど、その経営手腕も注目されています。

寺内氏は、李荘窯は染付磁器が基本であり、ライフワークとしても続けている仕事とのこと。藍色に染め付けられた商品群は、墨絵を見るような渋い魅力を感じさせます。現在は伝統と現代的なモダンさを融合させた「平成古伊万里」の製造にも力を入れています。

寺内信二の画像

飯碗、皿、茶器、重箱、魅力的な李荘窯の商品群

李荘窯では以下のような、多彩な食器を製造しています。

・飯碗
李荘窯の飯碗はおしゃれです。東京五輪のシンボルマークでもおなじみの市松模様がデザインされた「市松李荘碗」は見た目の面白さがあります。

李壮窯のボウル

・皿
直径10㎝前後の豆皿が通販で人気を呼んでいます。富士形、壺形、菊形などの種類があります。
・茶器
「土瓶・凛仙茶」の中では、マンガン銀彩や本銀彩が施された輝かしい土瓶や湯呑が秀逸です。
・重箱
「珠型三段重」は、重箱のイメージを覆す円形の外観が驚きの商品です。ほかに五段重、七段重もあります。

有田焼李荘窯の商品はどこで買えるのか

有田焼李荘窯の商品を購入する方法ですが、伊勢丹新宿店のキッチンダイニングで展示販売しているほか、通販や陶磁器を扱う専門のオンラインストアで購入することができます。また、毎年ゴールデンウィークに開催される「有田陶器市」でも販売していますので、これから有田焼のコレクションを始めたい方は、観光を兼ねて李壮窯の作品に触れてみるのもよいのではないでしょうか。

有田焼の陶祖、李参平氏ゆかりの場所で今も有田焼の作品が産み出されていることに、喜びを覚える愛好家の方もおられるかもしれません。江戸から令和へ時代が移れども、有田焼に賭ける職人たちの想いはけっして変わることはないでしょう。

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