有田焼の「陶悦窯」のあんなことやこんなこと

陶悦窯の画像職人・窯元・会社

有田焼窯元の陶悦窯は、佐賀県西松浦郡有田町にあり、現在の当主が14代目という長い歴史を誇る窯元です。東急ハンズやロフトで販売している価格帯の安い、手ごろな商品を主に作成しており、見たことがある人も多いはず。そんな陶悦窯の来歴と商品をご紹介します。

陶悦窯のルーツは江戸時代

有田焼の陶悦窯は、江戸時代の慶長3(1641)年に今村家が創業した悠久の歴史を持つ窯元です。今村家がかの豊臣秀吉が関わった文禄慶長の役の際に、松浦公の招きで来日した巨関(こせき)とその一統によって、現在の佐世保市三川内山で磁器(陶器よりさらに硬いもの)を作ったのがその始まりです。

12代の鹿男氏が当主だった昭和38(1963)年に窯場を拡張するため有田町に移りました。昭和61(1986)年には株式会社陶悦窯となり、現当主は今村堅一氏が務めています。陶悦窯の企業理念は「つくる悦び つかう悦び 暮らす悦び」で、その理念通り、食器のみならず花器などの生活用品も展開しています。

13代今村博氏の経歴

歴代当主の中では13代今村博氏が特に目覚ましい活躍を見せました。現代工芸フランクフルト展などに出品し、高い評価を受けています。日本現代工芸美術展には25回の入選を果たしました。その実績から佐賀県陶芸協会の理事にも選ばれています。

12代から引き継いだ有田焼陶悦窯を、知名度のある窯元に育てた博氏の功績は大きなものがあります。これから14代の今村堅一氏がどのように発展させていくのか行方が注目されます。

■有田焼陶悦窯の焼酎カップ

陶悦窯の焼酎カップ

陶悦窯の人気商品の一つが焼酎カップです。WEBのサイトで販売されている商品を例にとると、金彩と銀彩のペアになっている陶悦窯の焼酎カップは、口当たりの良さと持った時の手触りの良さが評判になっています。お酒を飲む器だけに、口当たりが重要なポイントになるのはわかる気がしますね。

通販サイトではペア商品だけに、ご夫婦やカップルでの需要が多いようです。日本酒、焼酎、水割り、ロック、ストレート、お湯割りなど多彩なお酒に使えます。量産品ゆえの手軽な価格帯も特徴ですね。

有田焼陶悦窯では刷毛目の技法を生かしたペアタンブラーやペアカップも

陶悦窯のタンブラーとペアカップの画像

有田焼には、刷毛目(はけめ)という技法があります。刷毛目とは、磁器に装飾を施す技法の一つで、白土(はくど)を刷毛で塗って刷毛目を表し、上から透明な釉(うわぐすり)をかける方法で紋様を表現します。

刷毛目の技法で作られた陶悦窯のペアタンブラーやペアカップはamazonでも販売されていますが、優美な紋様の素晴らしさの割には2,000円台の手頃な価格で購入することができます。

生活雑貨を担う磁器の窯元として、江戸から令和まで時代を超えて受け継がれてきた陶悦窯は、磁器の歴史の一部そのものといっても過言ではないでしょう。あなたも陶悦窯の商品を通して有田焼の伝統の技に触れてみてはいかがでしょうか。

陶悦窯_窯元紹介
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