有田町の窯元岩尾對山窯ってどんな窯元?

職人・窯元・会社

岩尾對山窯は、日本の白磁発祥の地である有田地域にて、古窯の大樽窯を380年以上継承してきた窯元です。有田焼創始以来の大窯に大樽窯があり、江戸時代の享保年間になる事に岩尾對山窯の初代の八郎兵衛がその当時の白磁ブームの時に、西有田に移住して窯焼きの名代札を受けました。そして窯焼きの名代札を受けて八郎兵衛が始めた窯元が、岩尾對山窯です。

当時の作風

大樽窯跡から当初の陶器の破片を調べると、初期段階では李朝系の作品から芙蓉手や濁し手など貿易品の量産していました。そして中期に入るとそれが、火鉢や大鉢などの荒物に変わっていき、明治期に入ると中皿や小皿などの専門食器の生産に変わっていき現在に至ります。

鍋島焼の皿

コンセプト

窯元の伝統とするのは、時代の要求にマッチした技術の開発を基本として、時には雄大豪華な作品を作ったり時には繊細で技巧の凝らされた作品を作ったり、時には量産品を作るなど時代のニーズに合わせて多彩なものを作ってきました。今現在は大樽窯を名乗らずに、対山窯を名乗っているのは、有名な高浜虚子という作家がこの窯元の作品に対して、古壷新酒という言葉をおくってくれたからです。その他に詩人の木俣修が、近代の光を放つ磁の色も今日の有田の窯に生まるると詠んでくれたことと、そこに山があるからと自然対象の心構えを先代の窯元が説いたことなどに起因します。岩尾對山窯は古い有田焼の伝統と明るい近代の調和を目指して、作品作りをしてます。つまり対山窯の伝統的なテーマである古陶銘品意(染付、呉須、インディゴ)や彩地金襴手や大型磁芸品から、その時代のニーズに応えた作品を次々に工夫しながら届けています。

有田焼のコーヒーカップ

作品の種類

岩尾對山窯の作品には、大きく分けて一般向けの作品と、皇居や美術館などに飾られるようなオートクチュールの作品を作ってます。嘗て対山窯は皇居の新宮を造営するに際して、人間国宝の故人の加藤土師萌の指導を受けて緑地萌葱金襴手飾壷を制作して、磁器灯篭や磁器卓などと共に上納した実績があります。緑地萌葱金襴手飾壷は高さ1メートル53センチの壷で、2020年現在でも皇居の新宮殿の竹の間に飾られています。竹の間は現役の天皇が各国要人などと会見したり引見したり、その他の行事で使われる部屋なのでニュースや新聞などで海外にメディアにも注目されます。オートクチュール作品は、特別依頼品で客が希望された有田焼を企画から制作まで全て受注生産してくれる作品です。法人や個人に関わらず有田焼で記念品やインタリア製品やオブジェに至るまで、どんな注文も可能です。 オートクチュールで特注で作る作品以外に、一般向けに日常生活で気軽に使える作品も岩尾對山窯コレクションとして販売してます。食器として使う大皿や小皿などの絵皿や、コーヒーカップやワイングラスなども作ってます。食器以外に小さな花瓶や大きな華道で花を生けるような大壷もあり、最近ではアロマキャンドルで使う陶磁器まで、様々な日常で使われる物を陶磁器で販売しています。

五月人形の陶板
タイトルとURLをコピーしました