江戸後期の創業 伝平窯ってどんな窯元?

職人・窯元・会社

有田焼の伝平窯の誕生は江戸時代にまで遡り、江戸時代後期に創業して現代まで受け継がれています。 歴史の始まりは、有田焼の祖とされる李参平が原料の陶石を泉山磁石場で発見、その麓の大公孫樹で伝平窯が始まりました。 やがて実績を積み重ね有名料亭などの信頼を獲得した結果、様々な器の依頼が舞い込むようになりました。 頼まれれば何でも作る、姿勢を持った窯でしたが、次第に窯の個性というものが見失われていったとのことです。

衰退と復興

一時は他の焼物に押されて衰退の危機に瀕したものの、現代の伝平窯は見事に蘇っています。 今では近代的トンネル窯を持つ企業の1社で、業務用食器に特化する形で日々食器が焼かれます。 重ねや仕切りといったテーマを念頭に、新しい食文化の提案を模索しているのが特徴です。 有田焼の良さを活かしつつ、面白く個性的で魅力ある食器の開発に注力しています。

伝統から未来へ

ただ単に伝統技術を継承するのではなく、未来に繋がる新たな焼物を追求する方向にシフトしています。 基本的な有田焼の技術や技法は今も変わりませんが、古典の再現はあまり重視しておらず、むしろこれからの古典を作る姿勢です。 目標は永く楽しく使える器作りなので、今の伝平窯は既存の有田焼に囚われない作品作りに挑戦しています。

器の特徴

例えば器の形を工夫したり、絵柄に前衛的なアイデアやセンスを加えているのがポイントです。 今までありそうでなかった器、これが伝平窯の目指す方向性なのだと分かります。 有田焼は日常使いの焼物で発展してきたので、この点は今後も変わることはないでしょう。 伝平窯を代表する池田和史さんは、過去400年の歴史がある古典の技術をベースに、伝統を継承しつつ現代的なモダンを追求している陶芸作家です。 機能性という付加価値をつけることで、飽きのこないデザインだけでなく、永く愛用できる食器の完成度を高めているわけです。 歴史ある焼物とは思えないモダンさですが、焼物が持つ温かみや色使いは背景にある歴史を思わせます。 それにも関わらず、現代の食卓に置いても違和感を感じさせませんから、伝統の技術と現代のデザインが融合を果たしているといえるでしょう。

オリジナリティ

オリジナルを追求する姿勢はから、豊かさというものを大切に日々新たな作品が生み出されています。 心の豊かさとは何か、暮らしを豊かにするものとは何かなど、器を提供する窯元の視点で模索が行われます。 未来を豊かにする為に育むべきものとは、それを考え追い求める中で様々に魅力的な作品を誕生させている窯元です。 江戸時代後期創業のルーツにばかり注目が集まる窯元ですが、実は現代でも非常に頑張っています。 近年の作品は形が個性的で多用途に使える豆皿が評判で、調味料や薬味など様々な用途で活躍しますし、重ねて置けるので利便性も高いです。 縁起の良い形や色使いも採り入れていますから、ちょっとした贈り物にも選びやすいといえます。

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