西日本を代表する焼き物の名門「萩焼」を知ろう!!

伝統工芸品・民芸品

こんにちは!今回とりあげます記事のテーマは「萩焼」になります^^!読み方は「はぎやき」になります!!山口県萩市そして西日本を代表する伝統工芸品「焼き物」の一つですね!! 日本三大焼き物と呼ばれる作品は「有田焼(伊万里焼:佐賀県)・美濃焼(岐阜県)・瀬戸焼(愛知県)」と呼ばれる焼き物ブランドになりますが、山口県の焼き物である「萩焼のブランド力」はいまだ健在です!!
今回の記事では、その「日本を代表する陶器ブランド」の一つに挙げられる「萩焼」って何?についてご説明しちゃいます!

萩焼って何?

萩焼は山口県萩市を中心とした山口県一帯でつくられている陶器で、江戸幕府がひらかれて間もない1604(慶長9)年に萩藩の初代藩主となった毛利輝元の命で、高麗茶碗をつくる技術を持つ2人の朝鮮人陶工兄弟が御用窯を築いたのがはじまりとされています。当初は高麗茶碗の技術がそのまま用いられていましたが、独自の発展を続けて、やがて「古萩」とよばれる黄金時代が築かれました。明治時代に入ると時の政府の改革によって御用窯は民間に払い下げられ、その影響でいったんは多くの窯元が経営危機に陥りましたが、1877(明治10)年に開催された第1回内国勧業博覧会に出展して高い評価を得て、4年後の第2回博覧会で宮内省のお買い上げ品となって名声を高めることで苦境を乗り越えました。第二次世界大戦後の1957(昭和32)年に文化財保護法に基づく選択無形文化財に選ばれ、2002(平成14)年には経済産業省から伝統的工芸品の指定を受けました。これまでに萩焼の文化を継承する陶芸家2名が人間国宝に選ばれているほか、県では特に優れた継承者を無形文化財保持者として認定しています。

萩焼の特徴

萩焼には、使われる陶土と釉薬により生まれる貫入と七化けと呼ばれる特徴があります。 器の表面にある釉薬の状態が、ひび割れたようになるのが貫入です。 器を長年使っていると出てくるのが七化けで、貫入部分に酒や茶が浸透すると色が徐々に変化して味わい深くなります。 萩焼の模様は地味ですが、昔から根強いファンが多いです。

萩焼は陶器?それとも磁器?

その焼き物の種類は、美濃焼と瀬戸焼と同じく「陶器ブランド」として発信されている伝統工芸品になります!! ちなみに「陶器」というのは、材料に陶土(とうど)と呼ばれる土を主に使って作品を完成させます!その土を材料にして作った「陶器」の特徴は土の茶色や「土もの」ならではの温かさやふっくらとした触り心地にあります(日本が誇る有名ブランド「有田焼(伊万里焼)」は陶石という石を材料にして作品を完成させる「磁器」と呼ばれるものになります)!! また、他にその特徴をあげるなら「陶器」は、お手入れが少し大変ですが、歴史があり、その古風な趣きに魅力を感じるファンが世界中にいるとされる「日本が誇れる文化」の一つなんです!

萩焼の皿

萩焼の扱い方

ちなみに「お耳に入れていただきたいこと」として、土の陶器の洗い方に注意していただきたいです!洗った後、生渇きのまま食器棚に保管してしまうと、土の隙間に臭いが付いたり、カビが発生したりする可能性があるからです!!また陶器は水を通しやすいタイプの焼き物なので、陶器に水を含ませて10分以上つけ置きして洗う方がいいらしいです!その点「有田焼」のようなつるっとした磁器はさっと洗いやすく手入れがしやすい点があげられます(もちろん陶器の良さとして、見た目デザインの温かさやお茶の熱を感じられる触り心地はあります)!!

陶器は磁器に比べると割れやすい傾向があります。磁器は陶器の約1.5倍の強度があるといわれています。 お料理などを食べ終わった後は、すばやく水またはぬるま湯と台所用洗剤で洗ってしまいましょう。吸水性があるので、他の汚れた食器とのつけおき洗いは避けましょう。 洗った後、生乾きのままですぐに食器棚などにしまうとニオイやカビの原因になります。きちんと乾燥してからしまいましょう。 陶器は細かい穴がたくさんあいているので吸水性があり、醤油などはしみの原因になることもあります。使用前毎にサッとお湯(水)通しをしますと汚れがつきにくくなります。余裕があれば、10分以上水につけておき、陶器に水を含まれることで、更に汚れがしみ込みにくくなります。 購入後に、高台(食器の裏側の釉薬などがついていない素地の部分)をサンドペーパーでなめらかにしておくと、他のものに傷をつけません。

萩焼の作り方

そんな萩焼の作り方は、つくりたい陶器のデザインの原型を木節粘土でつくるところからはじまります。木節粘土を使うのは、耐火性に優れていて、粒子が細かくて細部を詳細に表現できる特徴があるためです。原型が完成した後は石膏で型をおこし、その後泥漿とよばれる土をドロドロにしたものをつくって型に流し入れ、成型をしていきます。泥漿は大道土・見島土・水ガラスが適当な割合で混ざりあったもので、専用の撹拌機をつかって混ぜ合わせます。 成型の作業は圧力鋳込みと呼ばれる方法で行われ、約30分で作業が完了します。数日かけて乾燥させたら素焼きを行い、釉薬をかけて本焼きを行えば作業は完了となり、検品で問題が見つからなければ完成となります。2度焼くのは、成型後すぐに本焼きをすると品物が壊れやすくなってしまうことと、一度素焼きをすることで釉薬がかかりやすくなることが主な理由です。

萩焼の窯元・作家について

萩市内には多数の窯元が存在しますが、特に有名なのが泉流山と大屋窯です。

泉流山

1826年から続く泉流山は、黎明期には磁器を生産していたものの後の時代に陶器の生産に転換しています。 泉流山では主に昔ながらの足蹴り轆轤を使っていますが、一部の作品には電動轆轤も使われます。 機械に頼らずに職人の力で回すため、人の手の温かみや味わいが出ます。 泉流山では薪を使って登り窯で焼成するため、コントロールが難しい側面があります。 コントロールが難しい器は欠品も多くなりますが、上質な焼き物が生まれます。 美しい薄ピンクの色合いは登り窯特有のもので、泉流山では釉薬や粘土も萩焼伝統の手法に加えて独自の工夫を重ねています。

大屋窯

1969年に始まった大屋窯は、大和の香りが残る土地にあります。 窯のそばには筆染川が流れ、美しい涌き水でも知られています。 大屋窯では日々の生活で使う器から特別な器まで幅広く製作しています。 2000年からは磁器の製作も始まり、多様化する現代に合わせた作品でも有名です。 萩焼といえば陶器で有名ですが、白磁が盛んに焼かれていた時代もあります。 萩で焼かれる磁器には、江戸文化や京の文化が色濃く残っています。 大屋窯では萩焼本流の流れと、茶の世界が好んだ風合いを大切にします。

山口保男

萩焼の作家は全国的に有名な作家が多いですが、大和保男は山口県指定無形文化財萩焼保持者です。 昭和8年に生まれた大和保男は、1959年に日展初入選を果たします。 1960年には西日本工芸展優秀賞を受賞し、翌年には鎌倉近代美術館に作品が収蔵されます。 スペインのバルセロナにある民族博物館にも花器の街などが収蔵されています。 1973年に山口県芸術文化振興奨励賞を受賞し、1979年には日本工芸会正会員になります。 日本工芸会山口支部展支部長賞も受賞し、米国オハイオ州の美術館にも作品が収蔵されています。 2000年には伊勢神宮に作品が収蔵され、フランスパリ日本文化会館萩焼四百年展にも出品し話題になります。 翌年には奈良薬師寺に作品が収蔵され、2006年には東京国立近代美術館に萩茶碗などの作品が収蔵されます。 2011年に米国サンフランシスコ東洋美術館に萩茶碗が収蔵され、山口県指定無形文化財萩焼保持者に認定された後も活躍しています。 2020年には、作家人生70周年を記念した個展がオンラインで行われ話題になります。 オンライン個展は日本でも珍しい試みでしたが、多くの人々から支持されています。

萩焼 炎の技
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