フランスの名窯 ベルナルドの歴史と特徴

世界の工芸品

 ベルナルド、という食器をごぞんじでしょうか?美食の国フランスで生まれたブランド洋食器で、現在も世界中の高級ホテルや三ツ星レストランで使用されています。ここでは、一流シェフが愛用するこの洋食器の歴史や特徴を紹介していきます。

ベルナルドの歴史

 このベルナルドの歴史は古く、1863年にフランス中部のリモージュで誕生しました。リモージュは現在も有数の磁器生産が盛んな地域であり、元々磁器生産が始まる随分前の12世紀から金属工芸の生産地として発展していた地域です。古くから工芸品を生産していた地域だったこともベルナルドが生まれた大きな要因であるとされていますが、これ以上に大きな要因として考えられているのは、この地域で磁器生産に欠かせない真っ白で柔らかい粘土・カオリンが発見されたことが一番の大きなきっかけと考えられています。このカオリンの発見の後、リモージュでは磁器の窯が増えたくさん生産されるようになりましたが、ベルナルド窯もその流れに乗り、100年の時を経てよやく創業されました。そしてその後はナポレオン三世の皇妃に愛されたことにより、トップブランドの地位を築きあげたのです。

ベルナルドの特徴

 このように誕生して以来、格調高い伝統工芸技術を継承しながらも、フランスらしいクリエイティブな感性を光らせた作品を多く創り出してきました。常に新しい磁器の可能性を開拓しているため、洋食器以外にもインテリアやアクセサリーも手掛けており、今なお幅広いコレクションを提案しています。 そしてこのベルナルドの特徴はやはり、その洗練された美しさでしょう。トップブランドの地位をほしいままに、フランス最大規模の高級磁器ブランドとなっているのですが、実は一流レストランの7割がこの洋食器を使っているとも言われています。やはり、料理は目で楽しむものという言葉がある通り、美味しい食事には素晴らしい食器がかかせません。

時代とともに

 しかし、これ以外にも衝撃や加熱方法の違いに耐えられるような食器を開発したり、食材の温度が保てるように厚みを持たせたりと言った工夫がされていることも一つの理由と言われています。その他、時代とともに移り変わる料理のトレンドに合わせた食器を提案したり、オーダーメイドでの注文にも応じてくれます。こういった細かい気遣いも愛され続けている大きな特徴と言っても過言ではないでしょう。 このようなトップブランドの一つであるにも関わらず、飽きの来ないシンプルなデザインの洋食器が多いため、レストランやホテルだけでなく、それぞれの家庭でもすっと馴染んでくれるので長く愛用することが出来ます。使い勝手も良く、お皿のふちなどの絶妙な余白は料理を更に引き立ててくれること間違いありません。 日本で手に入れる場合はフランスからのお取り寄せが基本となるようですが、少しずつ取り扱いが増えてきており、百貨店でもイベント等で出店がある場合があります。興味がある人はぜひ一度手に取ってみることをおススメします。

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