有田焼の窯元 皓洋窯ってどんな窯元?
かの魯山人も食材や調理法、配膳にこだわりを見せるだけでなく、器や食器に非常にこだわりを持った人です。自分の感性や感覚、美意識に融合する器がなかなかなく、自分で器を製作し代表的な作品を後世にも残しています。千利休ももてなしには器が重要であると考え、茶の湯にあった湯呑や茶菓子を並べる盆や器を製作させました。おいしく食事や茶を楽しむには、視覚から美しさや季節感を感じ取ることも大事であることを先人は教えています。器の美しさと食材の彩、旬の味覚を五感で感じ取ることが食事の神髄であり、おもてなしの骨頂と言えるでしょう。
料理における器の重要性
こうした食の芸術を実現するには、器の果たす役割は非常に大きなものです。日常の食生活も食器に拘り、好きな器で食べることで 生活の質もランクアップしていくのです。またお気に入りの器に盛ることで、さらにおいしさが増していきます。 こうした食生活を豊かに、彩を添えてくれる食器をつくろうとしているのが。有田焼の皓洋窯です。
皓洋窯
皓洋窯は創業70年を超える窯元です。創業当時は商社などに卸す窯であり、徳利や盃を主に製作して発展してきたそうです。しかし現代においてこうしたニーズは減少の一途をたどり、家庭用や飲食店で使える食器類の製作にシフトしていきました。今も伝統技法が継承されており、手作業で一つ一つ職人が作り上げています。染付などを用いた独特の絵付け、絵付した石膏の器に釉薬コーティングしてつやをだしたり、逆に先に釉薬コーティングしたものに絵付けするなど巧みな技巧の絵付けが特徴です。
絵付けの特徴
網絵や呉須の濃淡の朱や濃紺の絵付けが有名であり、皓洋窯を代表するデザインと言えるでしょう。網絵などは普遍的なデザインで昔からあるデザインですが、それがかえって現在ではモダンな雰囲気を醸し出し、若い人にも受け入れられているのです。呉須の濃紺や朱の絵付けは、日本の他の窯でも見られる伝統的なデザインです。中国や朝鮮からの伝統技法のルーツをそこに見ることもできます。
料理に合う器
和食の盛り付けにはもちろん、中華料理やイタリアンの料理を盛るのにも最適です。シノワズリー的な雰囲気、オリエンタルなムードを感じることができ、和洋折衷の演出にも最適な器であると言えるでしょう。皓洋窯はしのぎシリーズも非常に人気があります。色目は白やオリーブカラーが代表的であり、シンプルで素朴な雰囲気が特徴です。色をつけ、釉薬でコーティングしただけのシンプルなデザインであるものの、料理を盛ると遠近感を感じ、どんな料理も豪華な雰囲気に演出してくれるのです。料理がひときわ目立つ器でもあり、飲食店などでもよく用いられています。普遍的なデザイン、秋の来ないカラーであるために、長年愛用できる食器となっています。モダンさも感じることができるので、イタリアンや洋食の盛り付けにも最適な器と言えるでしょう。