有田焼の老舗深川製磁ってどんなメーカー?
有田焼の深川製磁は明治27年創業の老舗のメーカーです。その歴史は、明治27年に同じく有田町にあった香蘭社の深川栄左ヱ門の次男により設立されました。宮内庁御用達であり、透き通るような青色の染付と赤絵を特徴として、つややかな質感が魅力の一つであり、この青色の染付はフカガワブルーともよばれ多くの人に親しまれています。
メダーユドール
明治33年にはパリの万国博覧会に出品し、ここでは最高の名誉となるメダーユドールを獲得しています。 有田焼の老舗深川製磁の作品の特徴としては、ある美意識を一貫しているといえるでしょう。大きな特徴に挙げられることは、欧州の人たちのために日本美の追求を意識してデザインされている点です。歴史的なデザインはもちろんですが、インターナショナルな絵付けが魅力の一つと言えます。
モダン、クラシック
深川製磁の作品を見てみるとわかりますが、大きくモダンとクラシックの二つに分かれることがわかります。それぞれのシリーズを見ると、個性があるデザインがそろっていることもわかるでしょう。一つ目のモダンのシリーズはポップな特徴があります。
TEWAZAとアルテウィンル
一つ目のTEWAZAと呼ばれるものは、ライフスタイルシーンで自分好みに使いこなせることもコンセプトに掲げています。深川製磁らしいこだわりが随所に表現されていて、その伝統技法であるかけ分けやすみはじきなどが用いられています。紫と茶色の色合いでモダンさを表現しながらも、かわいらしさも表現されているといえます。二つ目はアルテウァンルと呼ばれるものであり、これはミラノスタジオが開設された記念としてデザインされ、2006年のデザインと比較的新しいものです。使いやすさへのこだわりから生まれる日本の形をコンセプトに掲げ、日本伝統の絵付けというよりも、富士山がポップアートとしてえがかれて、ユーモラスな風情を醸し出しています。色合いは赤と青の二つがあるので、夫婦のプレゼントにも最適といえるでしょう。これと一緒に使えるプレートがアルテプレートであり、料理の創造性を高める多目的さがコンセプトています。真ん中に魚のデザインが白く抜かれていてこれは豊穣を意味しているため、お祝いの皿としても便利に使うことができるでしょう。
クラシック
もう一つのタイプがクラシックと呼ばれるもので、伝統的な絵柄をコンセプチュアルに展開したものです。その一つに寿赤絵と呼ばれるものがあり、これは江戸時代に着物や漆器、陶磁器などに用いられていたデザインです。丸を小宇宙として表現し、これは日本独自の表現の仕方と言えるでしょう。なつかしさが残りながらも、かわいらしい雰囲気も醸し出しています。そしてフカガワブルーを代表する作品がブルーワイナリーです。きれい、軽い、丈夫をコンセプトに、ブルーのグラデーションが真っ白な磁器肌に染め込まれています。歴史あるデザインの中に、どこかしら洗練された雰囲気を表現するデザインは、深川製磁ならではの世界観をうまく表現しているといえるでしょう。