伊達政宗も使った!?東北最古の焼き物 会津本郷焼について

会津本郷焼

会津本郷焼の歴史

会津本郷焼の歴史は戦国時代にさかのぼります。戦国時代に蒲生氏郷公が黒川城の屋根瓦を焼かせたのが始めとされており、のちに会津松平藩の保科公の御用窯となりました。御用窯となったことで陶磁器の生産量は多くなったのですが、戊辰戦争により戦火で製陶工場が焼かれ一時期は成り立たなくなったことがあります。その後も大正5年、大火により工場の大半を焼失してしまいましたが、村一丸となり技術を継承させ1993年には伝統的工芸品産地として指定されています。

会津本郷焼の特徴

会津本郷焼の特徴は、陶器と磁器の両方を製造している点であり、このように同時に両方の伝統を持っているのは窯業においてまれです。陶器はあめ釉と自然灰釉を使用しており、素朴な雰囲気があるのが特徴となっています。逆に磁器は呉須によって染付または和洋絵具により彩画が施されており、描く人の個性が現れます。陶器と磁器の雰囲気は異なる点が多いものの、素朴でおちついた青色系統の色合いが脳裏に残る焼き物になっています。また、登り窯で焼くのが一般的で、杉の木を使用して約2,000度の高温となる火に直接接して焼きます。火に接している箇所が赤茶色になることから、会津本郷焼は通称・燻し焼き(いぶしやき)とも言われています。2020年8月時点で会津若松市内に計2つの窯元があり、伝統工芸師に認定されている4名の陶芸家によって作品が作られているのが特徴です。

陶房彩里

会津本郷焼の作り方

会津本郷焼の作り方の詳細を見ると、会津市の北西部に位置する磐梯山で産出されている粘土と、榛名湖畔で採れる珪石を5対2の割合で混ぜた土を水で捏ねることからスタートします。人間の耳たぶと同じ程度の硬さになったところで、土台の上で器の形に仕上げていきますが会津本郷焼では轆轤(ろくろ)を用いないのが常です。この製法は朝鮮の青磁器と同じで、現在も会津本郷焼のルーツである朝鮮の製法を重んじているといえるでしょう。釉薬は計5回の上塗りとなり、主にアカシア・イチョウの樹液とマツヤニを溶かしたものを使用します。登り窯は計10段の層になっていますが、このうち最も奥に設置するのは高さ40cm以上の大きな花瓶や皿です。真ん中部分が1段目の窯場となるため、ここに杉の木を設けて火をつけます。手前にレンガを組んで下段には茶碗等の小さな作品を設置していき、入り口付近に木をくべて焼きます。上段は下段の余熱も加わることで約2,000度の熱で作品が生まれ、珪石の美しい緑色を纏った会津本郷焼が完成します。3日間もの間24時間絶え間なく火をくべる必要があり、この間は職人は片時も目を離しません。他の陶器と比べて会津本郷焼は作り方はシンプルではあるものの、焼きあがるまでに手間暇が掛かるのが特徴です。また火加減で表面の色も変わるため、芸術作品として価値のある品になっています。

会津本郷焼を体験するには

会津には会津本郷焼を行っている窯元が多数存在します。会津本郷焼を体験するには工房見学を行っているところに問い合わせをしますが、工房によって絵付けのみ、またはコップづくりなど陶芸をしっかりと体験できるところなど多様であるので、どういったことを行いたいのかを考えてから申し込みを行います。手びねり体験や絵付け体験、工房見学は予約が不要なことが多いですが、不定休となっているところが多いため、事前に問い合わせておくと行った時にすぐに体験を行うことができます。

会津本郷焼ってどこのお店で買えるの?

会津本郷焼を実店舗で購入するには窯元や工房、会津本郷陶磁器会館や会津本郷せと市などを利用します。会津本郷せと市は毎年8月の第一日曜日に開かれており、瀬戸町通りを中心に多数出店しています。一度に様々な工房や窯元の作品を見ることができるのでそれぞれの個性を見つけることができ、自分好みのものを購入できるメリットがあります。ゆっくりと会津本郷焼を選びたい場合は購入する窯元や工房を絞って行くのが良く、工房の人の話を聞くこともできます。

おすすめの会津本郷焼の通販サイト

会津本郷焼は実店舗だけなく、通販サイトでも購入することが可能です。一般的な通販サイトでも購入することができますが、大量に同じものが出品されていることが多く、個性的なものを購入したい場合は会津本郷焼事業協同組合が運営し、販売しているオンラインショップを利用するようにします。この会津本郷焼事業協同組合が運営している通販サイトはオフィシャルサイトであるので、一般的な通販にはないデザイン性に富んだものや様々な大きさのものなど選ぶことができます。

【JETRO】会津本郷焼 伝統の灯を次世代につなぐ
タイトルとURLをコピーしました